中国のY-20輸送機を見て思ったこと

中国が開発中と伝えられていた軍用輸送機Y-20の姿が、例によって隠し撮り風の写真によって伝えられていました。
Y-20輸送機
写真では細かい部分がよくわからないのですが、Il-76を元に開発されたということから、同機とほぼ同様の諸元が、推定値として報じられていました。
胴体径がやや大きくなっていて、Il-76では積めない車両が積めるのでは、という話もあるようですが、日本的な発想だと「わざわざ開発するほどの必要があるのか?」というのが率直な第一印象。
しかし、中国がY-20を開発したのは、Il-76の能力が不足だとかいうよりも、国産機を開発すること自体が主要な目的だったのでしょう。中国の航空技術者たちは、Il-76の技術を吸収し、Y-20の開発をしたことによって、次は完全に独自の技術で優れた輸送機が開発できることでしょう。羨ましいことです。

翻って日本では、自国のニーズに最適化した航空機を独自で開発することを、なぜか極端に嫌う人たちがいます。
特に、海上自衛隊向けの哨戒機P-1の開発中には、よりにもよって防衛大臣が、米国で開発が始まったP-8を採用するように迫り、開発が遅延するという、正気を疑うような話もありました。
また、陸上自衛隊向けの多用途ヘリコプター開発においても、国産によるシリーズ化が望まれたにもかかわらず、輸入機改造案との価格競争を強いられた結果、陸上自衛隊幹部が川崎重工業に情報をリークするという失態を犯しました。
運用する自衛隊が国産機を望み、国策として航空宇宙産業の育成があるなら、国内開発計画と陳腐化した外国機を、見かけの価格だけで比較するような選定をするのが間違っています。
日本の政治家は、しばしば「航空宇宙技術の育成」とか「技術立国」とか、綺麗なことを言うのですが、実際にやることは正反対のことが多いわけです。

航空機の開発能力において、もはや中国は完全に日本を置き去りにしたと言っていいでしょう。
日本の航空産業を今後どうしていくのか、我々は真剣に考えるべき時期に来ていると思います。

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