Solar Impulse 2がやってきた

周回遅れのネタだけど、6月1日、太陽電池のエネルギーだけで世界一周をめざしているソーラー・インパルス2が、よりによって名古屋飛行場に降りてきた。
ほんとうは南京からハワイまで飛ぶはずだったのが、太平洋上の天候不良のため、いったん名古屋に降りるという。

第一報のNAGOYAというのが、常滑の中部国際空港なのか小牧の名古屋飛行場なのか、はっきりしなかったけれど、やがて「名古屋飛行場」だと明言された。
この情報は夕方までに確かなものになったんだけど、なにしろソーラー・インパルス2の飛行速度は遅い。佐渡ヶ島付近を飛んでいる時点で、断続的に表示されるFlightradar24の情報では20ktそこそこ(40km/hくらい)だったから、実際に着陸するのは早くても日没後だと思われた。
そのうち、着陸は定期便が終了した後、夜遅くだということがわかった。
これでは写真は撮れそうにないと思ったけれど、せっかくだから名古屋飛行場に向かうことにした。

Flightradar24のスクリーンショット
FLIGHT RADAR 24のスクリーンショット

上の写真はFlightradar24のスクリーンショット。21時頃だけど、美濃加茂市と可児市の間あたりで待機している。高度の表示は14,000ftくらいになっているけれど、実際はもっと低高度。

けっきょく、名古屋飛行場の滑走路16に着陸してきたのは、深夜0時の少し前だった。
いちおうカメラを向けたけれど、そもそも高感度撮影に向いていないAPS-C一眼レフだし、まともには写らないね。
SI2 Landing at Nagoya

着陸したソーラー・インパルス2は、滑走路上でしばらく停止した後、地上クルーによってエプロンへ移動。
下の写真は滑走路上の機体を撮ったもの。この時点では、もう日付が変わっている。
SI2 on the runway

この飛行機、パイロットが一人だけ搭乗するんだけど、与圧システムはなく、酸素ボトル(Green Bottle)が何本も積まれている。パイロットはとても過酷な環境で長時間の単独飛行を強いられるわけで、これは肉体的な意味でも「冒険飛行」だ。
(日本語版のWikipediaとかには、なぜか与圧されていると書かれていたんだけど、実際の機体形状は上の写真のとおりで、与圧しているとは考えにくい。与圧するなら、与圧源になるコンプレッサーも必要だしね。)

週末、改めて名古屋飛行場へ行ってみたら、機体は可搬式格納庫に収まっていた。
Mobile Hangar
まるで繭玉のようだ。
テレビやインターネットなどで報道されたせいもあって、空港にはたくさんの見物人が集まっていた。
親子で見に来た人に
「ソーラー・インパルスはどこですか?」
と聞かれて、あの中に入ってるんですよ、と答えたんだけど、なんだか申し訳ないような気分。


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