【書籍】飛行船の歴史と技術—買いました

海事交通図書を出している成山堂という出版社から、飛行船の歴史と技術という本が出版されました。
これまでも、ツェッペリン飛行船のエピソードなどを書いた本は何冊か出ていますが、本書のように技術史を中心に据えた本は稀少なので、さっそく注文して入手しました。
出版社のサイトに目次が掲載されていますが、序論以降、モンゴルフィエの熱気球などの前史から第二次大戦後までの歴史を網羅し、係留や格納を含めた技術とその歴史解説、さらには将来展望までが語られています。
戦後日本で飛んだ飛行船に、ニッセンのキャンペーンで飛んだWDL-1BやA-60が入っていないのが気になりましたが、そういう些細な点を除けば、全体として文句なくおすすめの一冊です。

しかし、日本国籍で唯一の飛行船として、本書の表紙も飾った「ツェッペリンNT」は、まさに本書の脱稿直後、(株)日本飛行船の倒産によって解体処分されてしまいました。
皮肉なことに、本書はツェッペリンNTへのレクイエムともなってしまったようです。

ともあれ、これまで日本では、飛行船に関する出版物として、これ以上のものはありませんでした。
飛行船に関心のある皆さんに、幅広くおすすめできる好著です。



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