小松基地のF-15墜落事故について、離陸時火災説を唱えておきます

2022年1月31日17時30分頃、小松基地を離陸した飛行教導群のF-15DJ戦闘機が、飛行場から約5kmしか離れていない洋上に墜落しました。

空幕発表

冬の17:30なので既に暗い時間で、雪がちらちらと降っているような天候だったようです。
パイロット2名が搭乗していましたが、墜落に至るまで異常を知らせる通信はなく、緊急脱出もしていない模様です。

この状況で疑ったのは、視界の悪い中でパイロットが飛行機の姿勢を誤って認識し、海面に向かって「上昇」してしまった、いわゆる「バーティゴ」(空間識失調)のような事態です。
普通に考えて起きにくいことですが、機体が正常であったという前提で、強いて原因を推測するなら、それくらいしか思いつかないのです。
北陸朝日放送のインタビューに答えている空自OBも、そんなことを言っていました。

しかし、このインタビュー中に流れていた「離陸時の様子を捉えたビデオ」をよく見てみたところ、その映像中に不審な点がありました。
アフターバーナーを切った後の機体に、光っている箇所があるのです。

前述のインタビューに答えている空自OBの永岩さんは、動画を見て「トラブルは見当たりません」と答えていて、僕も最初はそう思いました。
しかし、よーく見ると気になるのです

まず機体はアフターバーナーを使って離陸しています。

その後、アフターバーナーを切るのですが、機体の下に小さな光が見えるのです。
航空機には衝突防止灯などの灯火がありますが、F-15のこの位置に、そうした灯火はないはずです。

その後もカメラはF-15を追っていますが、その「光」は消えていません。
むしろ大きくなっているようにも見えます。

これがなんなのか断定できませんが、火災を起こしていた可能性があるのではないか、と思います。

しかし、これを指摘している人を見かけませんので、ここに書き残しておくことにします。

北國新聞社がYoutubeにアップしている動画を、下に貼り付けておきます。


小松基地のF-15墜落事故について、離陸時火災説を唱えておきます」への6件のフィードバック

  1. オルタネーターなどの発電もしくは充電系のトラブルではないでしょうか?
    異常があればパイロットは管制塔に連絡するのは本能ですし、今回は複座ですから前席は操縦に集中するとしても、後席は連絡などの手段も考えられると思います。初心者ではなくアグレッサー部隊に入れる程の猛者なのですから。
    それが連絡も出来ず機体ロストなのですから、連絡を取れる手段がなかった、機体全電源消失なのかな、と。
    海自も海底捜索に入るみたいですし。

  2. 系統故障でこのような墜落に至るのは、なかなか考えにくいところです。
    発電機故障に備えたシステムもあるのですが、そうした系統を含めて全電源を喪失しても、やはり緊急脱出は可能なので、疑問が残るのです。

  3.  こんばんは。火災の可能性は大きいと思いますが、離陸して間もなく墜落するほど、エンジンや操縦系を破壊するものなのでしょうか?また、温度計とか自動消火装置とか火災警報や赤ランプはないのですか?F-15にはベトナムなどの戦訓で操縦系を2重にしたり、2系統の間の距離を取ると言った工夫もありそうですし、計器を監視しているのに2人が火災に対し何も気づかず、外から観察できるあがきをみせずに、海に突っ込んだのは不思議です。即死クラスの空中爆発でもあったのでしょうか?それならば、地上でも気づけたかもしれません。
     単なる操縦不能なら市街地でもないのですから、正副どちらかが射出装置を作動させそうなものです。滑走路での射出死亡事故を起こしたT-2と違いゼロゼロシートなので速度高度不足での躊躇の必要もないはず。
     となると、F-22やF-35でも問題になったようにパイロットへの酸素供給系などに不調があったのではないでしょうか?F-15のそれは枯れた装置でしょうが、整備&チェックミスや故障は絶無ではないわけで。これなら5分足らずで2人同時に無能力になり交信も出来ず、射出もせずに操縦を誤り海にダイブしてもおかしくありません。
     F-15DJには最近の自動車のように人事不省や誤った操作をオーバーライドして自動操縦する安全装置があるのでしょうか?新しい機種で操縦装置への入力がなくなると自動操縦に切り替わってとりあえず安全飛行するものがあると読んだ気はしますが。

    1. 火災警報装置があるだろう、というのは至極ごもっともな指摘です。
      この点については自分でも考えたのですが、なにも書かなかったのは良くなかったので、補遺として次のエントリに書こうと思います。
      結論だけを言うと、火災から空中爆発に至った、という可能性が残ると思っています。
      もちろん、それを確信しているわけではなく、あくまで「その可能性がある」という、仮説の提起にすぎません。

      あと、自動操縦による回復ですが、F-15にはなかったと思います。
      F-2などでは、いわゆる「パニックボタン」があって、これを押すと、自動操縦装置が「やや上昇経路の水平姿勢」に機体を回復してくれます。
      今回の事故については、操縦不能という事態ではないだろうと思います。

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