こども百科事典

僕が子供の頃、高度経済成長期の日本では、一家に一セット百科事典を置こう、みたいなブームがあったみたいで、わが家にも百科事典がありました。
それに加えて、こども学習百科もありました。
どちらも、僕の成長に欠かせない役割を演じてくれて、今でも深く思い出に残っています。

さて、翻って今日。
子供に与える百科事典として良いものはないか。
実は、いろいろ巷に出回っていますが、どれも気に入らない。
子供向けの商品は、ほとんどが、どうぶつ、とか、のりもの、というジャンル分けにして、シリーズ化された事典や図鑑ばっかりなのです。

人類知の歴史上、ディドロやダランベールのEncyclopediaが画期的だったのは、広範な学問領域を横断し、あらゆる領域にわたる知識を、無作為的なアルファベット順で網羅したという、まさにその点にあったのです。
つまり、現在の書店に氾濫する、既存のジャンルやカテゴリに整理された児童向け百科事典などは、私に言わせれば、全く百科事典の偉大さを理解していない、恥ずべき真似事にすぎません。

ということで、この百科事典の売られない時代にあって、かろうじて子供に買い与えることができそうなのは、ポプラ社の看板商品、総合百科事典ポプラディアくらいしかないのでした。

10万円。
安くないですね。

パパ、新しいカメラが欲しかったんだけど。


こども百科事典」への1件のフィードバック

  1. 2025年の今からおよそ10年まえのこの記事の状況は、きっと子どもたちの教育の中の学習モチベーション喪失の大きなポイントと思います。
    もう一つ。居間(リビング)のテーブルの上がすっきり片付いてる家庭からは、エンジニアや脳の発達に影響すると言われる手先の器用な人材は育たないのかもしれませんね。

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