碁や将棋の世界では、プロ棋士がいて、アマチュア棋士がいます。
プロがアマチュアを指導したり、アマチュアがプロになったりする。
つまり、相互に存在を認めて、同じ世界に共存しています。
「軍事」(笑)とか言われるような世界では、アマチュアはいません。
(それとも、草むらで戦争ごっこをしている人たちは・・・アマチュアの兵隊さん?)
一般に、国家の安全保障は政府の独占サービスで、アマチュアも存在しないです。
その代わり、兵器や兵法、戦史などを調べるのが大好きな「軍事マニア」(軍事オタク)は、たくさんいます。
しかし、残念ながら、プロとマニア(オタク)は同じ世界を共有しているとは言えません。
マニアというのは、あくまで外野なのです。
アマチュア野球選手と、プロ野球マニアの違いを考えると、わかりやすいかも。
近所の床屋へ行くと、長年の阪神ファンだけど、バットなんか何十年も持ったことがないおじさんが、昨日の巨人戦とかを熱く語ってくれます。
テレビで野球番組を見ない僕には、そういうおじさんの解説でも、なんとなく野球の雰囲気がわかります。
マニアとかオタクとかいう種類の人たちは、素人を相手にするなら、それなりに「専門家」っぽく振舞えるものです。僕も、野球おじさんの話を聞くと、なんとなく野球に詳しくなった気がします。(笑)
でも、おじさんが、その場だけの「擬似」専門家に過ぎない、ということは、僕も承知しているのです。
おじさんも、それを承知の上で、気持ち良さそうに話をしてくれているのです。
僕は、そのおじさんと仲良しです。
江畑謙介さんも、そういう意味では、いい仕事をされた、立派なエンターテイナーだったんだなぁ、と思います。
あの落ち着いた語り口や、分かりやすい解説は、他の評論家には真似できないものでした。
日本のマスコミは、惜しい才能を失ったと思います。