【US-2輸出】そもそも敵味方識別装置は輸出できないだろう

US-2飛行艇のインド輸出が取り沙汰される中、これまでの武器輸出三原則に代わる「防衛装備移転三原則」が閣議決定され、防衛装備品の輸出が容易になりそうだという。
防衛産業にとっては福音と言えなくもないが、個人的には「もう手遅れ」の感がしなくもない。

それはさておき、自民党政権の太鼓持ちである産経新聞が、こんなことを書いていた。

今後は法令上は武器と位置づけられる「敵味方識別装置」を装備したまま輸出することができるようになり、インドとの調整が円滑に進みそうだ。
(SankeiBiz 4月1日記事より)

ほんとうにそうなのか?
軍用機としてのUS-2輸出が解禁されたからと言って、敵味方識別装置の輸出が可能になるというわけではない。
当然ながら自衛隊機の敵味方識別装置は暗号プロトコルを米軍と共有しているから、そのハードウェアも日本政府や国内企業が勝手に輸出できるものではない。
そもそも、インドとの商談で敵味方識別装置の輸出可否が懸案になっているという話は聞いたことがない。国交省の型式証明が取れないUS-2は、敵味方識別装置を外したところで民間機として輸出できないので、最初から敵味方識別装置の話なんか本質ではない。
インドへUS-2を輸出するにあたっては、敵味方識別装置の調達はインドの国防当局に委ねることになるだろうし、それは前提事項であろう。


【US-2輸出】そもそも敵味方識別装置は輸出できないだろう」への2件のフィードバック

  1. 産経軍事部がまたやらかしましたか・・・
    ネット右翼御用達の産経新聞の軍事欄は毎日朝日さんの中韓関連並の信用度なので基本軍オタは誰も信用してないです(笑)F‐35アンチ国産マンセー型の記者がついているので・・・

    しかし、US-2の輸出に向けて大きく進歩したのは間違いないですね
    確かに、軍需産業の輸出に関しては大きく遅れを取ってしまいましたが販路の確保のために地道に下地を作っていくしかないです。性能はいいとしてネックはお金ですからね。

    1. コメントありがとうございます。
      私の書いていることも、一個人の経験や知見の範囲での見解なので、あまり偉そうなことは言えません。
      ただ、新聞や雑誌を見ていると、きっちりした取材に基づくのではなく、過去に生み出された「神話」(物語)に依存した思い込みで書かれている記事が多いように感じています。産経の記事はあまり評判が良くないということですが、そういう背景によるものではないかと推察します。

      今回、輸出に向けて障壁のひとつが取り除かれたというのは仰るとおりで、関係者にとっては大きな追い風です。しかし、US-2のインド輸出がビジネスとして成立するかどうかは微妙です。国と企業の双方が歩調を合わせ、長期的に取り組んでいく姿勢がなければ、日印双方にとって不幸な結果になることさえあり得ると思います。
      そういった点も含めて、本件は継続的に見守っていきたいですね。

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