エールフランスA330 AF447 事故調査中間報告

2年前に起きたエアバスA330 AF447の墜落事故について、海中から回収されたデータレコーダの解析が行われていますが、Flightglobal Blogで、事故調査委員会の発表内容がフォローされていました。
記事によると、墜落の前、本機のFBW飛行制御則が、Normal LawからAlternate Lawに切り替わっていたそうです。
各種センサーやコンピュータなどが健全であれば、A330はNormal Lawで制御されます。
この制御則では、機体が異常姿勢になることを、システムが自動的に防いでくれます。
パイロットが無理やり頭上げ操作をしても、限度以上には上がらないようにコンピュータが制御して、失速を防ぎます。
ところが、重要なセンサー(速度を測るピトー管など)やコンピュータなどが複数故障すると、制御則がAlternate Lawに切り替わります。飛行諸元や制御演算に全面的な信頼が置けなくなるため、パイロットの操縦操作に対する依存度を高めて、安全性を保つわけです。
(どのような故障ケースでAlternate Lawに切り替わるのか、残念ながら資料が見つかりませんでした。今後の報道を待ちたいと思います。)
今回は、速度計の表示に異常が生じていたことが分かっているので、複数のピトー管が氷結したなどの可能性がありそうですが、まだ詳細はわかりません。
Alternate Lawでは、コンピュータによる自動制御が縮退され、パイロットが、飛行姿勢や飛行諸元を正常域に保たねばなりません。とはいえ、これは危険なことでも何でもなく、普通の飛行機と同じことです。パイロットは、普通に操縦している限り、Normal Lawと変わりません。
ところが、AF447便では、パイロットがひたすら機首上げ操作を続けた結果、A330が失速してしまいます。
そして、高度35,000ftの高空から、回復することなく海面に墜落したようです。
ここで、私が知りたいと思うのは、制御則がAlternate Lawに切り替わったのはなぜか。どの系統が、どのように故障したのか。ということ。
そして、
パイロットは、なぜ機首上げ操作を続けたのか。ということです。
今後は、データレコーダ(ブラック・ボックス)のデータに基づき、シミュレータで様々な故障状況を模擬した検証が行われることでしょう。
その結果、妥当と判断できる推定原因が絞りこまれ、最終的な結論が出されることと思います。
今後の調査に注目したいところです。


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