統一教会の南米進出と「国家メシア」

4kizの話で、同CEO本山さんのお父さんが、子供たちを日本に残し、ホンジュラスの「国家メシア」として赴任したことは前に書きました。
本山さんが15歳のときなので1996年頃だと思いますが、当時、統一教会は南米への進出を促進していたのです。
そして2007年にはこんな事件も起きています。

パラグアイで起きた誘拐事件

同記事によると、教団は案の定、現地でトラブルを起こしています。
むべなるかな。

05年8月には、英エコノミスト誌が「約束の地: パラグアイと統一教会信者」という記事を掲載した。記事では、統一教会側が「街を豊かにする」との触れ込みで土地を買ったにもかかわらず、5年経ってもそれが守られないことに住民が反発、「カルトから解放してくれ」と議会まで陳情に行ったことなどが紹介されている。

報道より

これについては「赤旗」も2回にわたって記事にしています。

統一協会 中南米 土地買い占め <上> 霊感商法も資金源に(2007年5月2日)
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統一協会 中南米 土地買い占め <下>信者・幹部次つぎと(2007年5月3日)
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中南米での土地買い占めが表面化したのは一九九〇年代前半。教祖文鮮明が号令した「地上天国を築く」プロジェクトでした。
土地買収とともに「宣教」や「ボランティア」と称する活動や、各国要人、宗教指導者らを招待する大規模イベントを中南米各地で開催しました。

「赤旗」より

日本共産党「赤旗」は統一教会の問題をフォローして報じ続けてきています。送り込まれたのは幹部だけでなく一般信者もたくさんいます。
現地で働くだけでなく、現金を持ち出すための「運び屋」になるのです。
これは各国の外為法などによる送金規制を逃れるため、統一教会が昔から使ってきた手口ですね。フレイザー報告書にも出てきますよ。

当時、全国原理運動被害者父母の会が、出国差し止めを求めて国会に出した陳情書は「親には事前に一言もなく、幼児を残したまま行ってしまう」「家庭を捨ててしまう」と、その異常さを指摘しています。
この時の女性たちは、おのおの相当額の金を持参。資金の“運び役”の任務も帯びたのではないかとも伝えられました。送り込まれた女性がホテル十七階から転落死するという事件もありました。

「赤旗」より

本山さんのお父さんは、この「地上天国を築く」プロジェクトによって、ホンジュラスへ派遣された人だったのです。
それは本山さんが自分で講演したことです。

4kizの本山さんが考えたほうがいいこと

本山さんは、貧困家庭から立派な学歴を勝ち取ったことを、美談として売り物にしていますが、その前に、その貧困はなんのせいだったのかを、きちんと考え、説明しないといけません。

本山さんは自分のブログで「父は慈善事業家で、人のため世界のために働くことを生きがいとしていた。給料がなくとも慈善事業を進んで行った。」と書いていますが、それは違います。教団によるただの搾取です。

「本山勝寛 公式ブログ」より

統一教会の南米進出と「国家メシア」」への3件のフィードバック

  1.  こんばんは、Lであります。
     ブースカさんによる統一教会と政治への食い込みについての詳しいまとめと解説、とてもありがたいです。フレイザー報告のご紹介は貴重ですね。
     検索で面白い解説動画を見つけたのでご紹介します。お話をしている田原記者は 東京新聞で統一教会の記事を書いた人です。
    ・2022年7月27日 「視点-浮かぶ保守派の裏面史」
    ・2022年8月18日 旧統一教会と日本会議、「野合」の運動史…歴史認識が対立しても「とりあえず共闘」の打算 https://www.tokyo-np.co.jp/article/196569
    ・2022/09/15 東京新聞 デモクラTV Extra 
    ▼出演:富田光(東京新聞論説委員)内田誠
    ▼記者 田原牧(東京新聞 論説委員兼編集委員)https://www.youtube.com/watch?v=8b9gh5Lahp0
     大枠、歴史、ディテール、見立てとたくみに説明しています。文章も良いけど、話も面白いです。
     ではでは。

  2. 記事と動画を見ました。
    けっこうよくまとまっていて、面白いですね。
    動画は「統一協会」だけでなく「日本会議」などの問題にも触れていますが、これはテレビ番組では手が届いていない点なので、お勧めですね。
    予想外の事件がきっかけとはいえ、この問題が大きなメディアで触れてもらえるようになったのは、有難いことだと思っています。

    1.  ご覧いただけたのですね。面白いところが見つかったなら幸いです。記事に出来なかった細部や大括りな全体像をハッキリ言ってしまうのが東京新聞特報部元デスクぽさ。
       少し前に日本会議が注目されたのに、統一教会-自民党問題と併せて論じられないのは気持ち悪いし、歯痒いですね。
       統一教会自体は日本会議に”団体加盟”してはいないでしょうが(神道系?フロント団体もあるというから、目立たない舎弟団体の形で加盟してるかもしれない)、統一教会員の”個人参加”は多々ある訳で2つのグループはシームレスというか癒着していて、別建てに論じる話ではないでしょうに。”別個に立って共に撃つ”というより連合軍(但し、統一教会は裏で手伝ってる)でしょう。
       ”安倍と国葬批判は山上の思う壺”なるゴタクがだいぶ漂いましたが、軍事費10兆円だの先島から本土にかけての対中ミサイル配備だのを進めることなどこそ勝共統一教会の思うでしょうに。ニュースでは政府自民党が何かを打ち出すたびに統一教会の対政府自民党要求との比較をしてくれたらいいのにねえ(さすがに自民には法輪功議員はいないと信じたいものだ)。
       伊丹万作の敗戦直後の警告”騙されたからと言って自己免責している奴はもう次の嘘に騙されてる”は今の日本でも生きてますねえ。徳冨蘆花の「謀叛論」は増々輝いていますが、駒場?での講演なのでいかにも射程が短い。せめて花森安治の「見よぼくら一銭五厘の旗」くらいはもう一度注目されて欲しいものです。
      >民主々義の《民》は 庶民の民だ/ぼくらの暮しをなによりも第一にするということだ/ぼくらの暮しと企業の利益とが ぶつかったら 企業を倒す ということだ/ぼくらの暮しと 政府の考え方が ぶつかったら 政府を倒す ということだ/それが ほんとうの《民主々義》だ
       学校でも明確には教えないし(殆どの先生自身、わかってないんじゃないか)、テレビでも新聞でも言わないですからねえ。非常に筋が悪いのだけれども、先年の米大統領選後にQな人々が議会を襲ったことなんか、ほんとうの《民主々義》が剝き出しになった瞬間なわけで。筋が余りにも悪いので広がらなくてポシャッたわけですが。
       ”賠償踏み倒し”とオトモダチが偉そうな口を叩き、それに付和雷同分子が(実数※はともかく)大量に乗っかるのもそういうところなのでしょうねえ。
      ※何をしていたかはわからないが、市役所前道路のベンチの上でスマホを十台くらい繋げて何やら入力発信しているらしき30前後の帽子Tシャツという私の妄想が奔り捲るタイプの人を先日見かけた。家でやらずにベンチでやっていた都合は何だろう?場所が変わるとIPかなんかが変わるとかいう奴なの?これがネットで話題の人の一人なの?ミヤマクワガタとかタマムシとかハンミョウを捕まえた時くらい、ドキッとしましたよ。

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