KAIナラオンの初飛行に思う

韓国初の民間向け軽飛行機である「KAIナラオン」が、7月20日に初飛行したそうです。
ナラオン
(写真は聯合ニュースより)
経済発展著しい韓国では、旅客航空事業こそ既に国際レベルに達していますが、民間航空機の独自開発には進出が遅れていました。今回の「ナラオン」初飛行は、その状況を打開するものとして、韓国民の注目を集めているようです。
一見したところ、シーラスSR系列セスナ400など、最近登場した軽飛行機に類似したデザインです。
ですが・・・。いまいち洗練されておらず、正直なところ、ちとカッコ悪いと思いました。ごめんなさい。(笑)
初飛行の写真を見ると、右翼には標準ピトーが付いています。
プロペラ機では、プロペラ後流を避けるため、こういうことになります。もちろん、量産機ではこんなものは付きません。
また、翼端にはフラッタ試験用の加振装置(エキサイタ)と思しき装置が付いています。
(しかし、長いプローブと加振装置が一緒に付いてると、どうも不安を感じます。まあ、大丈夫なんでしょうね、きっと。)


さて・・・
韓国のジェネラル・アビエーション事情をよく知りませんが、これが採算ベースに乗るのかどうか、あまり楽観できないように感じます。まして、海外へ輸出したりするのは、そう簡単ではないでしょう。
でも、韓国の航空産業や行政当局にとって、同国初の民間機型式証明は、非常に大きな意味を持つはずです。
この「ナラオン」も、国家事業として開発が進められたものです。
初めから、商品としては売れても売れなくてもよい、というスタンスなのでしょう。
製品として民間機を市場に出すということは、航空機を設計製造する技術力だけでなく、その機体の安全性を審査し、国の証明を与えるという、文字通り「国力」を問われる事業です。
報道から読み解く限り、韓国は2013年を目標に米国と耐空性相互承認協定を締結すべく努力中のようです。それが実現すれば、韓国当局の型式証明を得ることで、本機は米国でも耐空性が認められることになり、輸出にも(制度上の)支障はありません。韓国は、国の産業育成戦略として、経済成長の勢いに乗り、ここで実績を積もうとしているのです。羨ましいです。
日本では、戦後の航空再開からまもなくして、民間機の設計製造が開始されました。
特に、1965年~86年に製造された「富士FA-200エアロスバル」は、約300機が製造され、欧米を含む世界各国にも輸出されました。

実は、FA-200は韓国にも輸出されています。
1973年に新造機3機(c/n 215~217、HL1041~1043)、1975年に中古機1機(c/n 84、HL-1046)が輸出され、同国の航空大学校で使われたようです。

しかし、その後の日本で、民間向けの小型機は開発されていません。
そうそう、ホンダジェットなんてのがあります。
でも、あれは、製造や型式証明を含めて、日本ではなく、アメリカで開発されているのが実情です。
開発元の会社こそ日本の資本なのかもしれませんが、本音で言えば、あれは日本の飛行機とは呼べないでしょう。
日本の航空行政に関わることを避け、アメリカの恵まれた環境を選んで開発された飛行機です。悲しむべき現実です。
日本でも、MRJのような大資本によるプロジェクトだけじゃなく、純粋で小規模な民間機開発ができるようになってほしいと思います。でも、このまま放っておくと、そういう航空行政が実現するのは、日本よりも韓国のほうが先になっちゃうかもしれません。

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