Synology NASの Hyper Backup を使ってみた

NASのバックアップが欲しい

僕は過去のエントリに書いたとおり Synology の DS218j を愛用しています。
(2021年11月現在は後継機種のDS220jが販売されています。)

DS218jはHDDを2台装着できる2ベイのNASなのですが、僕はこれに6TBのHDD 2台を装着し、冗長構成のRAID(SHR)で使っています。
この構成なら1台のHDDが故障しても大丈夫なのですが、1台のHDDが故障した後、交換用HDDを装着してRAIDを復旧するまでに、無事だったHDDが故障してしまうと、もうどうしようもありません。
特にRAID復旧中はHDDへの負荷が高くなると思うので、経年で疲労の溜まったHDDが無事に乗り切れないことは、考えられなくないのです。
また、NAS本体そのものの異常や故障、NASが丸ごと事故で喪失してしまったような場合も、完全にデータを失ってしまいます。

そう考えると、NASの内部でHDDの冗長性を確保していると言っても、実はそんなに安心できないのです。
バックアップによってデータを守りたいと思うなら、NASに納めてあるデータを、NASの外部にバックアップすることが必要です。

以前からなにかコスパの良い方法はないか、と考えていたのですが、結局Synology NASに用意されている「Hyper Backup」機能を使って、外付けのUSB HDDドライブにバックアップを確保することにしました。

Google DriveとかDropboxとかのクラウドサービスをバックアップに使うのが、拠点分散の面では好ましいのですが、数TBものデータをクラウドに置こうと思うと、かなりコストがかかります。
そもそもNASそのものが自前のクラウド・サービスとして利用できるので、バックアップのためだけにクラウドサービスにお金を払うのは、その意味でもコスパが良くない感じです。

HDDを購入

そんなことを思っていたところ、Amazonの「ブラックフライデーセール」で、バッファローのUSB HDDドライブがセール価格で売られていました。

2021年11月時点で、なんと9,330円というセール価格。
この価格だと、下手すると内蔵用の6TB HDDベアドライブより安かったりするので、これは買うしかない!とポチってしまったのです。

このセール価格は、あちこちのサイトでも注目されていたようなので、同じようにポチった人は多かったんじゃないかな。

Hyper Backup

注文すると翌日に届いちゃったので、さっそくHDDをNASのUSBポートに繋いでみましたら、なんの問題もなく認識してくれました。
なので、NASの管理画面であるDSMから、Hyper Backupを実行してみます。

NASに接続したUSB HDDにバックアップする場合、「ローカルフォルダ&USB」または「ローカルフォルダ&USB(単一バージョン)」を選択します。

普通にバックアップするだけなら「ローカルフォルダ&USB(単一バージョン)」でもいいのですが、せっかくなので過去のファイル更新履歴を遡って復元できる「ローカルフォルダ&USB」を選択しました。
しかし、この方法だとバックアップしたファイルをWindowsなどから直接読むことができなくなります。
なので、編集履歴を遡ってファイルを復旧することなないのであれば、「ローカルフォルダ&USB(単一バージョン)」を選んでおくのが良さそうです。
僕があえて「単一バージョン」を選ばなかったのは、履歴を遡った復元というのを、そのうち試してみたいと思ったからです。

バックアップする対象のフォルダは選択可能です。
僕の場合、バックアップの必要がないフォルダがあるので、除外しておきます。あと、バックアップ除外するファイル形式(拡張子)も設定できます。

あと、Synology NASにインストールされたアプリケーションの設定なども、バックアップできるようになっています。
全てがバックアップできるわけではなさそうですが、なにかあって復旧するときには、役に立ってくれるかもしれません。

バックアップのタイミングやローテーションを設定する

バックアップを実施するタイミングを設定します。
毎日、あるいは毎週などのタイミングで、あまり使っていない深夜などの時間帯にバックアップを取るのが普通だと思います。
この設定画面にある「整合性チェック」というのは、バックアップしたデータの健全性をチェックする機能のようです。
バックアップしたつもりで、いざ復元しようとしたら取り出せなかった、なんていう致命的なトラブルを防止するための機能だと思います。

僕は「単一バージョン」のバックアップを選択しなかったので、過去のファイル変更履歴をどれくらい残すか、という「ローテーション」設定画面が出てきます。
そんなに古いバージョンを取っておく必要はないと思うので、適切な回数に変更しておきます。

初回バックアップはすごく時間がかかる

こんな感じで進めていくと、初回のバックアップを実行する画面に到達するので、設定が間違っていないことを確認してバックアップを開始します。

今回バックアップするデータは約2.5TBくらいなのですが、さすがに1日くらいは待たないと終わらないかな、と思っていました。
そしたら、それどころではない時間がかかることが判明。

下の画面は、バックアップ開始から丸二日くらい経過した状況ですが、バックアップ対象の4分の1、24%くらいしか進んでいないことが分かります。

このペースで行くと、約2.5TBのデータを初回バックアップするのに、約8日かかることになります。

この初回バックアップ中は、それなりにNASの使用を控えめにした方がよいでしょうが、ふだんどおり使うことはできるので、日常の利用で支障は生じていません。
でも、バックアップが終わらないと、なんだか落ち着きません。

とりあえず

やっておかなきゃいけないと思っていたバックアップができそうです。
しかし、このバックアップが、いつか役に立つのか、立たないのかはわかりません。

Hyper Backupで作成したバックアップデータの使い道として、将来Synology NASを買い替えたとき、移行用データとして、USB HDDバックアップデータを使う、というのがあります。
しかし、この場合は、バックアップデータをいったん移行先のNASに格納し、そこから展開する必要があるらしく、移行先の容量が、移行元データの二倍以上でないといけないようです。

僕はこの用途に少し期待していたのですが、現在はDS218jを6TBで運用しているので、この方法で別のSynology NASへ移行するには、12TB以上の領域が必要になります。
Synology NASで12TB以上となると、4ベイのモデルに6TBを3台積み、RAIDはSynology独自のSHRにするというのが現実的な気がします。
現在のDS218jを買い替えるのがいつ頃になるかはわかりませんが、データ移行の方法も併せて考えながら、トータルコストを抑えたいものだと思います。

ということで、現時点では初回バックアップも完了していませんが、そのうち日常運用で気が付いたことなどがあれば、またなにか書くかもしれません。

 

 

 


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