Synology DS420+ 導入

いろいろなデータを貯めておくのに、Synology DS218jを使ってきました。
とても評判のよいSynology社のNAS(ネットワーク・アクセス・ストレージ)ですが、その中でもDS218jは個人用として購入しやすい価格帯のベーシック・モデルです。
現在はDS220jが後継機です。

個人用としては、このクラスでも実用上は十分で、NASの便利さを味わうことができます。
しかし、人間は欲深い生き物で、より良いものがあると、それが欲しくなってしまいます。

DS218jで物足りなく思ったこと

基本的にDS218jに満足していたのですが、上級機種があることを知っていると、次のような欲が出ました。

まず、より速い処理速度が欲しくなりました。
NASに入れてあるのは、写真データのほか、自炊(スキャン)したものを含む各種のPDFデータ、いろいろなドキュメントなど、あらゆるデータです。
そのため、PCで作業をするときNASに依存する度合いが非常に高くなり、ファイルへのアクセスが高速化できるなら、それに越したことはありません。
とりわけ、データサイズの大きな画像データにアクセスする際は、NASの処理速度が大きくものを言うように思いました。
また、NAS内のデータ検索や写真の自動分類など、NASのプロセッサが担う処理負荷もけっこうあって、快適さを求めるなら、より高性能なNASを使うのが良いに決まっています。

また、将来への拡張性が欲しくなりました。
DS218jは2ベイのNASで、RAIDを組むと、それでベイはふさがってしまいます。
僕は6TBのHDDを2台入れていますが、RAIDで冗長性を確保しているので、使える容量は6TBです。
もし容量が不足したら、HDDを2台とも6TB以上のものに換装しなければいけません。
当り前と言えば当たり前ですが、2ベイのNASキットでは、冗長性と拡張性を両立できないのです。

DS420+

というわけで、DS420+という機種が欲しくなったのです。

型番が示すとおり4ベイのキットですから、現在のDS218jに挿してあるHDDをそのまま移しても2ベイの余裕があります。
容量が足りなくなればHDDを1つ追加すればよいだけです。

また、ベーシック・モデルの「Jシリーズ」と異なり、上級モデルの「Plus シリーズ」はCPUの性能も高いのです。
これで処理速度の向上は間違いないのです。

しかしこれがやっぱり高いんです。
NASキットだけで70,000円を超えています。もちろんHDDは別売。

HDDはDS218jから流用できるからいいとしても、これを「欲しいなあ」というだけで購入できるかというと、生活するだけで精一杯な僕のお財布には、なかなか難しい相談です。

ところが、ほんとうにありがたいことに、このNASを導入できることになってしまいました。
ほんとうに・・・ありがたいことです・・・。

届きました

DS420+の箱です。
さすがにずっしりしています。

内容は特別なものはありません。
左側に写っているのが、カバーのかかった本体です。あとはケーブル類くらいです。
でも、LANケーブルやUSBケーブルなども入っているのは親切ですね。
わざわざ買わなくても大丈夫です。

移行作業

今回はDS218jのHDDを取り出して、そのままDS420+に乗せ換えます。
機種によっては、こういうHDDの乗せ換えができないパターンもあります。
これについては、Synologyのサイトで説明されていますので、きちんと確認しておきます。

DS218jからDS420+へのHDD乗せ換えは、この表で言うと「グループ1」から「グループ3」への移行になるので「パッケージ設定の再構成が移行後に要求されます」とあります。
データそのものは失われないのですが、移行後に設定をやり直さないといけない部分が出てくるのです。
ちょっと不安でしたが、データさえ失わなければ大丈夫だと思い、実行します。
手順もSynologyのサイトにきちんと書いてあるので、それを守ります。

引っ越し前には、ブラウザからNASにアクセスして、コントロールパネルの「更新と復元」から「システム構成バックアップファイル」を作成して、PCに保存しておきます。
あと、僕はDS218jにUSBのHDDを繋いでHyper Backupによる自動バックアップをさせているのですが、念のためバックアップ・スケジュールをOFFにして、操作画面から「USB HDDの取り出し」をしておきます。

システム構成バックアップファイルのダウンロード

物理的な作業としては、DS218jの電源を落としてから、HDDをDS420+に乗せ換えます。
このとき、DS218jのHDD 1とHDD 2は、それぞれ正しくDS420+のHDD 1とHDD 2に装着しなければいけないようです。

DS420+への3.5インチHDD取り付けは、DS218jと違ってネジを使わずに済む方式です。

HDDの装着やLANケーブルなどの接続が終わったら、電源を入れてPCからDS420+を操作します。
このへんもSynologyのサイトで詳しく書かれているので、指示に従えば大丈夫でした。

ブラウザから find.synology.com で新しいNASを検出するように書かれていますが、僕の場合は検出できなかったので、指示にあるとおり Synology Assistant というアプリをPCにインストールして、無事検出することができました。

DS420+を認識した

いったん引っ越し先のNASを検出してしまえば、あとは画面の指示に従うだけです。

DSMインストールタイプの選択

Synology NASには、DSMというOSが載っています。
HDD上のDSMを使って(マイグレーションして)進めるか、DSMを再インストールするかの選択画面が出ますが、僕は再インストールが面倒だと思ったので、マイグレーションで進めました。

DSMが立ち上がった

そのまま指示どおり進めていくと、DSMの見慣れた画面が立ち上がりました。ひと安心です。

コントロールパネルから、DS218jで作成しておいた「システム構成バックアップファイル」のアップロードすると、システム構成が復元されます。

システム構成の復元

ちょっと時間がかかりますが、待っていれば勝手に終わります。

そのあとアプリケーションパッケージの更新などが必要になりますが、淡々と進めていきます。

結果

こんな感じで、HDDの引っ越しそのものは問題なく終わりました。
でも、やはり手動で設定を変更しないと、元のようには使えない点もありました。
これはSynologyのサイトに書かれていた、引っ越し元のDS218jとアーキテクチャが異なることによるものかもしれません。
(よくわからなかった)

まず、コントロールパネルの「外部アクセス」から「Quickconnect」を有効にしなければいけません。
設定はそのまま残っているので、チェックボックスにチェックを入れるだけです。簡単です。

QuickConnectを有効化

ほかにもなにかあった気がしますが、よく覚えていません。たいしたことはありません。

こうして移行が終わってみると、やはりDS420+は処理が速いです。

特にSynology Photosを使った写真データの閲覧は、サムネイルの生成などが速くなっており、PCやスマホでの閲覧が、DS218jに比べてずっと楽になりました。
これは体感上も明らかに違い、「ああ、これが本気のNASというものだ」と感じました。

それ以外のファイルアクセスも当然ながらスムーズになっており、処理能力が違うことを実感します。

結論

今回、思いがけず実現したNASの機種更新ですが、やはりこれは嬉しい結果になりました。

デジタル一眼レフなどを使っていて、大量の写真データを扱うなら、やはり上級機を使うのが幸せだと思います。

NASの用途と使用頻度によっては「Plusシリーズ」まで手を伸ばすかどうかは微妙ですが、実際に使ってみると、その価値はあると言わざるを得ません。

とはいえ、ベーシックな「Jシリーズ」との価格差が大きいことも事実です。
「Plus」シリーズが買えないからと言ってNASを諦めてしまうべきではなく、「Jシリーズ」でも十分な実用性はあると思います。

むしろ、こうしたITデバイスに興味があるなら、手軽な「Jシリーズ」でNASを導入してみるのをお勧めします。

ただ、写真データを中心に扱うハイアマチュアのカメラマンなどであれば、できれば「Plusシリーズ」などの上級機を考慮することをお勧めします。
少し余分な初期投資が必要ですが、それだけの価値はあるのです。

 

 


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