工場で組立中のボーイング787の後部胴体に、複合材構造の層間剥離が発生していることが判明し、今後の完成機引渡しスケジュールに影響を与えそうだという報道がありました。
Flightglobalのサイトによると、不具合は水平尾翼の取り付け部にあたる「Section 48」で発生しており、少なくとも、ANAへ引渡予定の56号機、カタール航空へ引渡予定の57、58号機が該当するそうです。
ボーイング787の胴体構造は、複合材のシートを重ねて焼き固めたものですが、重ねた層の間が剥がれてしまうのが、今回の「層間剥離 = Delamination」という不具合です。
どうも、製造公差で生じた部品同士の隙間を適切に処置しなかったせいで、締結の際に無理な力がかかったのが、今回の不具合原因のようです。
飛行機の組立てには、けっこう「現物合わせ」的な作業が必要です。
いろんな工場で作った機体部品を、最終的に組み立るときなど、公差による多少の隙間ができるのは当たり前。
そういう場合、隙間に「シム」などを挟み込んで、組立や締め付けに無理がないようにします。
今回は、どういうわけか、そういう作業が適切に行われていなかったようです。
当然ですが、ボーイングでは、ちゃんと検査と修理を行うと言っています。
できるだけスケジュールへの影響が少ないといいですね。