川島大橋緊急工事のスーパーピューマ

岐阜県にある川島大橋の橋脚が傾いてしまい、緊急工事が行われています。

岐阜新聞によると、5月の大雨による大規模出水で橋脚周辺の川底がえぐられ、1本の橋脚が0.86度傾いたそうです。たった0.86度みたいですが、通行人から「傾いている感じがする」と通報があって、調査した結果、通行止めになったとのこと。

この緊急工事のため、中日本航空のAS332L1スーパーピューマが土砂の搬送を実施していたので、見に行ってきました。

各務原市内のヘリポートから土砂を吊るして運びます。

橋脚の根本付近に土砂を投げ入れます。

中日本航空のJA6717、アエロスパシアルAS332L1です。


川島大橋緊急工事のスーパーピューマ」への6件のフィードバック

  1.  こんにちは。毎度、面白い記事を挙げて下さりありがとうございます。
     過日上げてらした米軍の台湾海峡制空権の記事、甚だ予言的でした。大変勉強になり大いに納得いたしました。いつもながら米帝は実に悪い。些末なところではボーデンプラッテ作戦の米軍側評価が興味深かったです。本朝にはほぼ独軍視点、独側史観しかなく、愚策、大失敗、寿命を縮めた、ただただ悲惨といった評価でしかありませんが、米側から見ると結構痛い目にあわされた、被害は小さくなかったという評価なんですね。まあ、米側は独軍が払ったコストなんてあまり気にならないでしょうから、受け止めはいきなり後頭部を殴りつけられてひどい目にあったということなのでしょう。
     さて、小生のようなモノを知らない者は”ヘリコプターとは豪気だねえ。道路ならトラックで、線路なら貨物列車で大量に土砂を運べばいいんじゃないの?船じゃダメなの?1分1秒を争う国際救助隊案件なの?”と浅いことを考えてしまいます。
     橋と水面の距離が遠くてもパイプを伸ばして土砂を投入するとか、土嚢を投げ入れるとかできると思うのですが。
     ま、ヘリを選んだのですから経費に見合う利点、作業自体は楽で速いと言ったことがあるのでしょうね。応急措置なのでしょうから、この辺を重視したのでしょうけど。
     ご存じのことがありましたらお教えください。

    1. ヘリコプターを使うのはたしかにコスト高なのですが、地上輸送のために準備工事や後始末などが必要な場合、条件次第ではヘリコプター輸送に軍配が上がることも十分あり得るのです。

      今回のケースでは、橋脚の根元に土砂を投入するためには、地上からだとダンプカーを橋脚の根元まで接近させるための準備工事も必要で、時間とコストがかなりかかりそうです。
      一方、ヘリコプター利用のためには、近くにあった既存のヘリポートが利用でき、おまけにヘリの会社が近傍の名古屋空港に所在するので、ヘリ運航に必要な工事や要員の出張旅費など、付帯コストがほとんどかからなかったことが有利だったと思われます。

      昔、空自岐阜基地から隣接の航空博物館までT-33A練習機を運んだことがありますが、地上を牽引して運ぶと、自衛隊基地のフェンスを撤去&再建する費用がかかるため、ヘリを使ってもほとんど費用が変わりませんでした。
      ヘリ会社も岐阜飛行場に所在していたので、出張費用がかからないのです。そのため、迷わずヘリ輸送を選択し、T-33AをV107ヘリコプターで吊るして運んだのです。
      今回の工事も、費用と時間を算盤に乗せて、ヘリコプターを選んだんだろうと思います。

      1.  お答え、ありがとうございます。得心が行きました。一般論ではヘリは経費が掛かるけど、条件に恵まれればスピード込みで考えると得策になることもママあるということなのですね。
         T-33輸送の例、ためになります。とはいえ、諸々事情はあったのでしょうが、自衛隊側がヘリを出して民生協力なり、訓練の名目で運んでくれても良かったんじゃないかと思わなくもないです。数十年前は自衛隊への目も厳しい(軍艦に使う金があるなら、まずうちの前の穴ぼこだらけの道路に使え、とか。50年代の「がむしゃら1500キロ」とか見ると、東海道からして砂利道で砂埃だらけだった。70年代くらいまでは舗装されていない道はままありましたよね)ので、”工兵隊”とかが道路工事等を積極的に請けて宣撫に務めていたそう。ま、米軍でも韓国軍でも公共工事などを請けているわけで”自衛隊も随分エラくなったもんだね”ともろもろ思う今日この頃であります。まあ、博物館側に予算があるならヘリ会社に回す方がGDP的にベターでしょうけど。

  2.  こんにちは。
    ”3対の翼を持つ飛行機「SE200」開発、燃料70%と二酸化炭素80%削減で空の旅に革命へ”という記事を見ました。https://buzzap.jp/news/20210730-se200-tri-wing-aircraft/
     燃費を大幅に良くするというと「全翼機」形式が選ばれることが多いと思います。実際に、ボーイング辺りから全翼機の構想が出たり引っ込んだりしますし。
     このSE200のデザインは既存機や全翼機に比べて燃費他について相当有利なのでしょうか?
    主翼を3分割するとかV尾翼にすると構造上軽くできるかな?とか、エンジンを尾端に設けると機内容積を稼ぐと共にいくらか抵抗が減るのかな?でもパイロン形式の方が軽くなるんじゃないの?とかは思うところ。でもボーディングブリッジとか客室窓とか避難経路とかの問題はあるにせよ、全翼機の方がいいだろうに。
     よろしければ思うところをお教えください。

    1. SE200について。
      飛行機の航続距離というのは「ブレゲーの式」なんかで表現されますが、ぶっちゃけて言うと以下の条件で決まります。
      (1) 燃料効率(推力当たり消費燃料に対しての速度)
      (2) 空力性能(抗力当たりの揚力)
      (3) 燃料の量(機体重量に対する燃料重量の比率)
      このうち(1)の条件はエンジンで決まるので、機体形状によらない条件と考えられます。

      全翼機の場合、実は上記の(2)はそんなに良いとも言えないのです。無尾翼であったり、胴体がないことで、有害抵抗を大きく減らせますが、主翼の持つ誘導抵抗が大きいからです。
      しかし、全翼機は比較的容易に(3)を大きくすることができるという、長距離機には有利な条件を持っています。
      なので、これは個人的な見解ですが、全翼機は基本的に燃料をたくさん使って遠くへ飛ぶ飛行機だと思います。
      もちろん、これからの全翼機は軽量な新材料をふんだんに使い、形状の工夫で空力性能を上げたりするでしょうが、機体形状の基本的な特徴として、エコ・フレンドリーとは言えない気がします。

      全翼機の欠点である上記(2)を良くするには、グライダーのような細長い(アスペクト比の大きい)主翼が有利です。SE200は極端にアスペクト比の大きい主翼を3組持つことで、空力的な性能向上を図っていることが分かります。
      このように整理すると、SE200は以下のような狙いを持っています。
      (1) 燃料効率のよいエンジン技術の採用
      (2) 空力性能の飛躍的向上
       新材料による、薄くて高アスペクト比の主翼(主翼内に燃料を積まない)
      (3) 搭載燃料量の削減
       上記(1)と(2)により、必要燃料量を大幅に削減する
      従って、SE200成否の大きな鍵は、彼らが見込んでいる新エンジンや材料&工法により、上記(1)と(2)が実現できるかどうかというところだと思います。
      それらが「技術的に」達成できたとしても、実用までには安全性の保証など様々な壁がありますが、将来に向けての取り組みとしては、技術的に道理の通った現実的な発想だと思います。

  3.  おこたえいただき、ありがとうございます。小生は原理がわかっていないので、ノースロップほか、世界中に全翼機に魅せられて破滅した?航空機デザイナーがいるから”全翼機、ダントツにサイコー!”とばかり思っていました。しかし、実際にはそこまでの差じゃないのですねえ。SE200のようにやりようによっては全翼機と勝負できると。
     概念図とはいえ”SE200は超高性能機の割にダサい”と思っていましたがU-2やソアラーやTa152を櫛形三葉形態にしたものだと考えると、これは凄いですねえ。
     複合材がどうの構造がどうのというのは小生にはさっぱりですが、ルータンやマクレディが卵を立てて見せたように、まだ意識していなかったり見つけていない方法や素材があるのでしょうね。世界中で何十年も藻掻いていたクレーマー賞をあっさりと搔っ攫っていったゴッサマーコンドルの登場と成功は衝撃でした。70年代って日大の活動で人力飛行機に注目が集まっていてTVにもよく登場したし、本や雑誌にも出ていました。たしか、兄が読んでいた「Uコン技術」には連載があったように思います。コウノトリがハゲタカに目の前で油揚げを攫われた格好で驚きましたねえ。秀才が問題を正攻法で地道にコツコツ解いていたら、”こうやれば簡単じゃん?”とエレガントな別解で鮮やかに解かれてしまった感じでしょうか?
     SE200がエレガントな別解となって空港に櫛形n葉機が並ぶようになったら、宮崎アニメ的で楽しいです。

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